成功する弁護士が行っている顧客開拓のための広報活動

育てる

信頼されるために

信頼されるための広報活動としては次のものがあげられます。

  • ホームページ、ブログ、SNSの活用
  • 学習会、セミナーチラシの活用
  • ニュースレターの活用
  • はがき、手紙の活用
  • メールマガジンの活用
  • 出版の活用
  • 広告を継続的に出す
  • アンケートの活用

信頼は、一貫した行動、継続した行動、社会的信用のなかから生まれます。

成功する弁護士さんはコミュニケーションを密にしています。学習会やセミナーの開催であったり、講演にいったり、懇親会に参加したり、ゴルフのコンペを開催したりするのは、一緒に行動する重要性を理解しているからです。その場では伝えきれない弁護士としての矜持や活動、日常的なことはニュースレターに書いて伝えます。ときには自筆の手紙で丁寧に。インターネットが当たり前の現代では、ブログを書き、メールマガジンを発行することで、より多くの顧客層にアプローチすることができるようになりました。
社会的な信用を得るために出版したり、新規の顧客にアプローチする方法として広告を継続して出している先生もいます。
こまめに活動されているから結果が出ているということです。

ビジネス上の話なのに、なぜ自分の人柄や思いまで突っ込んで伝えなければならないのか?

新しい顧客層にアピールし信頼されたいなら、ホームページなどであなたの人柄や思い、実績などを事前にきちんと伝えておく必要があります。大勢の弁護士さんのなかからあなたが選ばれるためには、先方にとってあなたがほかの弁護士より「身近な」存在で、「信頼できる人物」と思われていることが前提だからです。

「あくまでもビジネス上の話なのに、なぜ自分の人柄や思いまで突っ込んで伝えなければならないのか?」
こんな風に不安に感じる方もいるかもしれません。
弁護士という職業柄、危険をともなうこともあるので、危険が家族まで及ばないようにするため、正直なところなるべく個人情報は出したくないという先生もいらっしゃるので、悩ましい問題でもあります。

どうして伝えた方がよいかというと、人間は感情で行動し、感情が人の心を動かし行動に駆り立てるからです。

有名なたとえ話にこのようなものがあります。

目の前に、2軒のラーメン店があります。
A店は近くを通るといつも行列ができている。店員も店主もきびきび行動していて活気がある。
B店はいつも空席が目立ち、店主は店の奥にいて活気がない。

あなたはどちらの店に入ってみたいと思いますか?

このとき、あなたはなぜそう思ったのでしょうか?
なんらかの感情が動いたから、そう思ったのではないでしょうか。

それを法律事務所に置き換えると・・・

ある人、仮に山田さんとします。
山田さんは悩みがあって、法律事務所に相談に行こう思い、近くにある2つの事務所をインターネットで探しました。

A法律事務所のホームページにはいろいろな情報が載っていて、どんなタイプの弁護士がいるのか、どんな活動をしているのか詳細に書かれてあり、山田さんは知らなかったのですが、自分の子どもの通っている小学校でも法律の出前授業をしたと書いてありました。

B法律事務所はホームページはあるものの、書かれているのは弁護士名や住所などで、どんなタイプの弁護士がいるのか、どんな活動をしているのか、具体的なことはまったく書かれていませんでした。

山田さんはどちらの事務所を選ぶと思われますか?

信頼を得るためには、人間は常に感情で行動することを意識して、人が安心して行動できるだけの具体的な情報をより多く提供していくことが大事なのです。弁護士さんの場合、伝えたほうがよい情報と伝えなくてもよい情報を分けて考えてはいかがでしょうか。

どうやったら信頼してもらえるだろう?

こう考えながら必要な情報を提供していってください。

信頼感や安心感は、たとえば先方の気持ちになって提案する役に立つ情報の提供であったり、必要とする助けを自らから買って出ることだったり、専門用語など一般になじみのない言葉は多用しない配慮だったり(使う必要があるときはかわりやすく説明するなど)、日常のささやかな心遣いの積み重ねの中からうまれてくるものです。

相談者が緊張していたらまともな相談もできない?!

あえてなぜ今こんなことを言うのかというと、悩みがあって傷ついて勇気を振り絞って法律事務所にやって来た人が、はじめて会った弁護士さんとたった30分で打ち解け、リラックスして相談できることのほうが不思議だからです。

弁護士さんのタイプにもよると思いますが、相談者が緊張状態では、必要な情報もそれほど多く入らないのではないでしょうか。
相談をスムーズにすすめるためにも、事前に何らかの方法であなたを信用してもらってからきていただく方が効率的です。

とすると「人間関係づくりは相談にくるずっと以前からはじまってなければならない」ということになります。

信頼されるために

「信頼されるために必要な行動」としては、次のようなものがあげられます。

ブログ、ホームページなど情報発信で

  • プロフィールをしっかり書く。
    (出身大学、弁護士登録年、所属弁護士会などのほかに、小さい時はどんな子だったか、どんなことをしてたか、なぜ弁護士を目指したのか、親との関係、悔やんでいること、理想とする弁護士像、どんな趣味があるかなど)
  • 日頃の活動を感情を意識して書く。
  • 笑顔で印象のいい写真を入れる。
  • 弁護士の思いや行動など人柄が伝わる情報を載せる。
  • いいと思った、共感できる人のブログにはこちらから読者登録するなどアプローチをする。
  • フェイスブックなどSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)上の交流では知り合いになったひとと積極的に関わる。
  • 記事を読み、いいと思ったら、いいねボタンを押す。
  • 共感したらコメントを書き込む。
  • 直接の知り合いでなくても、共感できる人をみつけたら、頃合いをみてメッセージを入れて友達申請をする。

現実の交流の場で

  • 面白いと思った活動やイベントには積極的に参加表明をして参加する。
  • 懇親会に出席する。
  • スクールや勉強会など定期開催で好みのものがあったら積極的に参加する。

「活動家タイプ」「実務家タイプ」

ところで、いくら信頼関係を築くのが大事だと思っていても、自分の性分に合わない方法だと、ブレーキがかかって、なかなか先に進めないという事態に陥ることがあります。

そのようなことにならないよう、私は弁護士さんにはいくつかのタイプがあると考えているので、今回は「活動家タイプ」「実務家タイプ」という2つのタイプの場合にわけて、信頼関係の築き方をお伝えします。

「活動家タイプ」
活動家タイプの弁護士は、しっかりした自分の考え方があり、それに基づいた行動をしているので、考えにそぐわないことを無理にやるよりは、「共感者の裾野を広げる」ことに注力することをお勧めします。
自分の熱い思い、活動をきちんと発信し、自分に共感してくれる人の数を増やしていくのです。

ポイントは、独りよがりにならないこと。

なぜ共感したのか、どこに共感したのかは相手によって異なるので、思いを伝えるときに、さまざまなケースを想定して語りかける冷静さが大切です。

目的は「共感者の裾野を広げること」なので、自分から一方通行で発信するだけでなく、ジャンルは問わず、共感できる相手を積極的に探し、「この人はいい」と思ったら、自分から働きかけ、お互いに共感しあえる、仲間を増やしていくこと。
そして勉強会やイベント、相談会など、現実に出会える場を折に触れ設定して親睦を深めていってください。
同様に相手の勉強会やイベント、相談会などにも積極的に参加し関係を深めていくのです。

「実務家タイプ」
請け負った仕事を確実にこなしていく実務家タイプの弁護士は、相手に合わせていくことができるのですが、そつのない対応がときに事務的で、思いがうまく伝わらず、相手を失望させてしまうことがあります。
そのため、自分の興味・関心のある分野に的を絞って、自分の活動領域を広げる、専門知識を深めるなど目的を決めて、同様の思いをもつ異業種の人と一緒に学ぶつもりで関係を築いていくことをお勧めします。

ところで、初めての場所にいくときひとつだけ気に留めておいてほしいことがあります。

それは、初対面の方のなかには弁護士という職業に先入観を持ってしまっている方もいらっしゃるということです。「弁護士はエリートで雲の上の存在」「自分とは違う」「弁護士に嫌な思いをさせられた」など。そのため、そういう方もいるのだということを、織り込みずみにしておくことです。

「弁護士です」というだけで驚かれてしまう可能性もあるのですが、それはあまり気にしないこと。はじめは居心地が悪くても、何回か会っているうちに、理解者や友人も増えてくるからです。

自分の気持ちの乗らないところにいって居心地の悪い思いをすると、続けることが困難に思えても、自分の興味・関心のある分野なら、続けやすくなります。